クレスダズラ日誌

PFCS企画のことダラダラ描くよ!

PFCS 序章

 その時――大陸に衝撃が走った。

 長きに渡り他の大陸との行き来を妨げていた霧が晴れたからだ。

 何かの異変なのかと国民たちはざわめいた。

 そして、此処クレス王国、王宮内にある温室内で国王ハロルドとダズラ王国女王スヴァ=ローグは茶を飲みながら側近とともに会談を行っていた。

 

「のう。ハロルドよ。この霧が晴れたという自体をどう考えておる?」

 

 カップを傾けながらあさぐろい肌に角、人ならぬ白目と黒目の反転したサターニアの特徴を得る女王は気だるそうに目の前の初老の男に声をかける。

 

「そうじゃなぁ…この霧が晴れたということは他大陸からの侵攻もありえるかもしれぬが…。危機なのかはたまた好機なのか。まだよくわからぬな。」

 

「そうじゃな。我もこれは好機と捉えておる。貿易や他大陸の文化を取り入れればこのダズラもさらに繁栄しよう。そうじゃ。冒険者というものがおるじゃろう?あやつらに調査させればよいのではないか?」

 

 にやりとスヴァ=ローグは笑いカップの紅茶を飲み干す。

おかわりと茶菓子をもってこさせ、相変わらずクレスで取れる茶はうまいの。

と嗤う。

 

「おお。それは名案だ。他大陸に渡る冒険者を募ろうではないか。勿論我らのためになる情報や資源をもたらした者に褒章を与えるということでな。しかし…スヴァよ。お主は本当は他大陸を見たいのではないのか?笑みが抑えきれておらぬぞ。」

 

 くすくすと笑うスヴァ=ローグは見透かされていた思いに茶菓子を一口かじるとこう返した。

 

「かくいう主も行きたいのであろう?美髪王と謡われし勇猛な王よ。他の者任せにしておられようか。このような面白そうなことが。」

 

ハロルドは苦笑する。

 

「王子を派遣することにすることにするよ。私も行きたいが立場上そうはいくまい。」

 

「シグフルドか。あやつもなかなかよいな。我も立場上はいけぬが…なんとしても他大陸は見ておきたい。折を見て我もいくことにしよう。はははは。」

 

 二人の談笑は続く。

 そして、冒険者組合に他大陸への探索依頼が発布されることになることはそう遠くはないことだった。